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趣味の日記



2001/3/8(木)



ゲストブックなどにも書いているが、1月23日から3月2日まで、香港、
インド、スリランカを旅行した。インドといってもケララ州だけ、スリラ
ンカはコロンボと南西海岸。内訳は、香港3日、インド3週間半、スリラ
ンカ1週間半といったところ。

香港のホテルは高い。日本と変わらないくらい・・と言うか日本より高い
くらいかもしれない。でも、安宿もあることはある。旅行の最初からこん
なところで金を使う気もないので、安宿が多数、入居している有名な(・
・と思う)九龍の尖沙咀(チムサアチョイ)の駅前の雑居ビル、チュンキ
ン・ハウスをめざす。巨大でぼろぼろの雑居ビルである。ところが、駅前
で客引きのねえちゃんにつかまり、結局、別の雑居ビルの中の安宿に泊ま
ることになった。

1泊230香港ドル、だいたい4千円くらい。インドじゃそんなもんを安宿
とは言わないが、もちろんここはまだインドではない。場所としては申し
分ない。窓の下には九龍の目抜き通り、ネイザン・ロードが走っている。
東京のど真ん中に泊まるのと比較したら高くはないのかもしれない。
部屋もバスルーム(が一応ついている)も限りなく狭いが、小さなテレビ
が置いてある。そういえば、ニューヨークでシャワー共同のほとんど最低
クラスの安宿にとまったことがあるが、小さなテレビは置いてあった。こ
のへんがインドとは違うところである。当たり前かもしれないが。

連れていかれた時には分からなかったが、このホテルが入っている雑居ビ
ルを、あとから、あらためて見たら、かなりすさまじい代物だった。チュ
ンキン・ハウスでもきれいに見えてしまうほどの、ぼろぼろぶりである。
おまけに、私の部屋のある部分はビルからつきだして、ひっついている様
な形になっている。今にも、メリッとはがれ落ちて崩落しそうである。
13階にあるから、落ちたらまず助かるまい。


スリランカのゴールでは、着いたのが夕方というせいもあったが、どの宿
もいっぱいで困っていた。そうしたら、断られたホテルに宿泊していた、
イギリス人が1軒のゲストハウスを紹介してくれた。
ゲストハウスといっても、基本的には普通の民家で、頼まれたら人を泊め
ることもあるという感じである。800ルピー(約1100円)というの
は、この国の水準にしては少し高いと思ったが、まあぜいたくを言ってら
れる場合ではない。

ゴールの宿がどこもいっぱいだったのは、次の日からイングランド・チー
ムとスリランカのクリケットのテスト・マッチがあるからだった。街中
(と言ってもささやかなものだが)は、すっかりその話題で盛り上がって
いる。スリランカは小国だがクリケットの実力はなかなかのものらしい。

暇にまかせて、テレビで時々、クリケットをみたりもした。確かに、ダイ
ジェストの放送でみると少しは面白かったが、これが編集のない中継だっ
たりしたらやっぱり、どうみても退屈としか言いようがない。とにかく時
間がかかる。1試合を何日にもわたってやることもある。そんなのを延々
と中継している。みんな、我慢強いのかなんなのか。イギリス文化っちゅ
うのも変なものである。
でもとにかくクリケットは人気がある。子供が空き地で、クリケットをや
っている光景をよくみかける。ちょうど日本の子供が野球をやるみたいに。


インドでのガイドブックには、白人バックパッカーご用足しのガイドブッ
ク、lonly planet の "Kerala" をもっていった(そんなのが出ているの
である。ケララ州は最近、白人旅行者の間で人気急上昇らしい) でもこ
れで旅行すると当然、しょっちゅう白人旅行者とかちあうことになる。
『地球の歩き方』を持っている日本人どおしが、しょっちゅう、かちあう
様に。。

ケララの水路を8時間かけて走る観光船が、目的地の小さな街、アレッピ
ーに着くと、降りた白人達はいっせいにHotel Arcadiaに向かった。
他にろくなホテルがなさそうな街だし、改装したばかりで、きれいで明る
い(インドのホテルは暗いところが多い)、そのわりには安いと書いてあ
れば、そりゃ、みんな行くっちゅうもんである。船着き場でのろのろと翌
日の船の時間などを調べていた私がついた時には、すでに満室となってい
た。あぶれたのは私だけではなかった。その人たちとは、次にまっとうそ
うに書かれているKomala Hotelで、また、はちあわせすることになる。


インドでは、200ルピーから800ルピーの範囲のホテルにとまってい
た。日本円で言うと、だいたい500円から2000円。これは、貧乏旅
行者と言うにはちょっと、ぜいたくである。本当の貧乏旅行者なら大体、
100ルピー(250円)以下のところを探す。でもまあ、私ももう若く
はないんだし、未だに一応、バックパッカーをしているというだけで、勘
弁していただけたらと思う(一体、誰に対して弁解してるんだか良く分か
らないが)

一番、高かったコーチンのHotel Aiswaryaは、新しくてきれいで、エアコ
ンもきいていて、大きなテレビもあり、快適そのものであった。エアコン
のきいた部屋で、BBCのニュースなどを見ていると自分がどこにいるんだ
か分からなくなってしまいそうである。

インドはケーブルテレビが主体で多チャンネル化という点では日本より進
んでいる。まあ、だいたいろくでもないチャンネルが多いが、CNNもB
BCワールドも、ちゃんと入っている。今回、じっくり見比べてみたが、
やっぱり私には断然、BBCの英語の方が分かりやすい(と言っても半分
も聞き取れていないが)と感じた。イギリス英語は、分かりにくい、アメ
リカ英語(米語?)の方が分かりやすいという人も多いが。
イギリス人の方がひとつひとつの単語をきっちりと発音する傾向があるの
ではないだろうか。そりゃ、なまりの強いイギリス人(それにスコットラ
ンド人)の場合は完全にお手上げだが、少なくともCNNとBBCの比較
においてはそう思う。

アカデミー賞のノミネートの発表の中継というものも、初めて見た。
と言っても、キャシー・ベイツ(と他一人)が出てきて、あっさりと読み
上げるだけで、あっと言う間に終わったが。。
下馬評では本命が「グラディエーター」(前にも書いたことがあるが、こ
れは本当に面白かった)、対抗が「グリーン・デスティニー」(英語の題
は"Crouching Tiger and Hidden Dragon" 、これも面白かった。やっぱり
CGと中国人ならではの動きのカンフーがみもの)とのこと。さて、どう
なりますか。

ケララのビーチリゾートとして、一番、有名なのはコバランだが、今回は
その50kmほど北にある、バルカラにも行った。コバランよりだいぶ、の
んびりしているし、崖の上にレストランなどの店が並んでいるという地形
も面白いし(ちょっと、おっかないけど)、散歩する場所にも事欠かない
しと、私はコバランよりもこっちの方がよっぽど気に入った。

バルカラには一度、行ったあと、時間つぶしのために(スリランカへ飛ぶ
飛行機の予約がまるでとれなかったのだ)もう一度、舞い戻り結局、4泊
ずつ、合計8泊することになった。

バルカラで最初にとまったところは、ホテルというよりもゲストハウス。
1泊500円。きれいな部屋で、海岸から少し離れているので静かだし、
部屋の外にはのんびり本を読むには、最高のベランダがついていて・・と
ここまでは言うことがない。

問題はこのゲストハウスを管理している兄ちゃんが異常に口うるさいこと
である。やれ、カタカリ・ダンスのチケットを買わないかとか(前にコバ
ランで見たからもういい)、数10頭の象が行進するお祭りがある、
100何十キロだか離れたところだが、タクシーで乗り合いで行くと安い
ぞ、行かないか(誰が行くか!)とか、なにかとサイド・ビジネスもした
がる。

それだけならともかく、一度真っ昼間に、こっちが部屋にいるのに電気を
切られてしまったことがある。バイクでやってきて、いつもはうるさいく
らい話しかけてくるくせにその時は何も言わずに入ってきて、電気をぶち
っと切ると(切る瞬間をみていたわけではないが間違いない)また、その
まま、おざなりに「ハロー」とだけ声をかけて行ってしまった。

先月の電気代がすごくてとか、こぼしていたから気持ちは分からないでも
ないが、客がいる時に電気を切ったりしてはいけない。昼間だから明かり
はいらないが、ファン(天井についている扇風機)が動かないと暑いのだ。

この兄ちゃん、3時間ほどしてからまたやってきて白々しく
「何か問題はないか?」ときいてきた。
こっちも知らぬ顔をして(この時はあまり言い争う気分ではなかったので)
「そうだな、電気が来てないみたいなんだけど」と言う。
兄ちゃんはあくまで白々しく
「そうか、それじゃ停電かもしれないな。ちょっとその辺の家に行ってみ
 てくるよ」
とわざわざ見に行くふりをしに出ていった。しばらくして戻ってきて、
「やっぱり、停電の様だ。でももうすぐ電気はくるみたいだから待ってて
 くれ」と言う。
停電ならどうして、もうすぐ電気がくるなんて分かるんだ?
兄ちゃんはそれから20分くらいタイミングをみはからってから、電気の
もとのスイッチをいれ(見ていたわけではないが間違いない)、
「電気、きただろう?」
とやってくる。あまりの白々しさに笑ってしまうが、こっちもあくまで知
らんふりをして
「そうだな、ありがとう」という。
嘘をつくのも大変だと兄ちゃんがこれに懲りて、もうこんなことはやめて
くれれば良いが。


その次にバルカラに来た時に、とまったところは、バンガロー風のつくり
で、750円。これもなかなか快適なところだと思ったが、夜になってと
んでもないことが分かった。

別の部屋に無茶苦茶な音量で音楽をかけるやつがいたのである。夜の12
時になっても、音楽は止まらない。そろそろ文句を言いに行こうかと思い
はじめていたら、宿の主人の方が、先にぶち切れたようである(見ていた
わけではないが音がつつぬけなので分かる)その部屋にやってきて
「金はいらん。わしのとこから今すぐ出ていけ」と怒鳴った。
ものすごい剣幕である。インド人は普段は大抵温厚だが、本当に怒るとこ
わいのだ。部屋の主の方(あとで、イギリス人と分かる)は、なにやらも
ごもご言っていて、こちらは何を言ってるんだか、よく分からない。結局、
出て行ったんだか、行ってないんだかよく分からない。まあ、とりあえず
その後、部屋は静かになった。良かった良かった。

・・と思っていたのだが、翌朝、またとんでもないことがある。
朝の5時前からその部屋から話し声がし始めた上に、また、音楽をかけは
じめたのだ。結局、まだ出ていってなかったのだ。それにしても、あれだ
け言われたのにまた、朝の5時から音楽をかけるなんて(何も言われてな
かったとしてもだが)一体、どういう神経をしているのだろう。

今度は、私がぶち切れて、その部屋にどなりこみに行く。
部屋にいたのは、男一人、女が二人、イギリス人だった。女性二人は、か
なり可愛い・・がそんなことを言ってる場合じゃない。。

「音楽をとめろ、だいたい、あんたらは昨日でていけと言われてたんだろ
 うが」
と言ったが、男は
「じゃあ、なんでお前はここにとまってるんだ。お前が出ていけばいいだ
 ろう」
と言い返す。これでむっとして、ひとしきり口論・・といっても、実は相
手のいっている事が良く分からないのだ。向こうは「聖人XXの話を知っ
てるか・・」とか訳の分からないことを言い出したりするし。でも、勢い
上、あんまり聞き返したりするわけにもいかない。とにかく、こっちの言
いたいことだけ言う。言いたいことと、いっても「静かにしろ。はやく出
ていってくれ」ということだけだが(まあ、ずいぶんと言えばずいぶんだ
が)

とにかく最後にはむこうもあやまり、こっちも引き下がる。その後はさす
がに本当に静かにはなったが、彼らはまだ、ぐずぐずと部屋にいたみたい
で、もう一度、宿の主人がどなりこむ一幕があり(まだいるなんて、どう
いうわけだ、早く出ていけ)、ようやく9時過ぎに、彼らはでていく。疲
れた。

朝食をしに行きに部屋を出ると、まわりの部屋の人たちもばらばらと出て
くる。もしかして、このホテルにとまっている白人たちがみんなつるんで、
騒いでいて私だけが被害にあってるのかと疑心暗鬼になっていたが(だっ
て、誰もまるで文句を言いに行かないんだから)そんなことはなかった。
みんな被害者だったのだ。ひとしきり「いやあ、ひどかったね」と話をす
る。

その中にイギリス人の女の人もいて、
「宿の主人が『恥をしれ、イギリス人』と言ってたけど私もイギリス人だ
 から、肩身がせまかったわ」と言う。
「いやあ、どの国の人だって色んな人がいるんだし、気にすることないで
 すよ」と答える。「イギリスにはフーリガンだっているし」・・と言い
足したくなるが、もちろんその言葉はのみこむ(笑)

この宿の残りの3泊は何も言う事がなかった。夜は海の方から波の音が聞
こえ、陸の方からは虫の声がきこえる。静かであれば、すばらしい宿であ
った。




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