干ばつ対策としての森林伐採・アフリカの終わることのない苦しみ 2007/3/13(火) BSの海外ニュース(どの国のニュースか忘れた)で、南アフリカでは 干ばつ対策の為に木を伐採しているというのを見てびっくりした。干 ばつ対策と言えば植林するのが普通だろう。干ばつ対策の為の伐採と はどういうことなんだ? 結局、問題なのは17世紀後半にヨーロッパ人が移植した松などである らしい。こうした木は在来種の3倍くらいの水を吸い上げるため、干 ばつの原因の一つになっているとして伐採しているそうだ。 もう少し詳しい情報が知りたくてネットで検索してみたが見つけるこ とができなかった。私はこういった話に対する知識がほとんどないの で、この施策の是非については全く判断できないが、とにかく色々と 考えさせられるニュースである。 動物について言えば、人間が外来種を持ち込んだことによって起こさ れた問題は数限りなくある。白人が持ち込んだ動物によって、オース トラリアの多くの動物が絶滅に追いやられたことは有名だ。ハワイで も同様のことが起きている。 沖縄のヤンバルクイナは、人間がハブ対策として持ち込んだマングー スや野生化したネコーつまりこれも人間が持ち込んだ動物であるーに よって絶滅の危機にある。もちろん森林破壊など他の要因もあるが。 マングースは人間の意図とは異なり、ハブなどというやっかいな獲物 は捕らず、絶滅危惧種であるアマミノクロウサギやヤンバルクイナを 好んだのだ。現在では、マングースや野生化したネコを「駆除」しよ うとしているらしい。言い古されてきたことかもしれないが、人間の 身勝手さは目にあまる。生態学的見地に立てば、一番に駆除されるべ き動物が人間であることは間違いない。 最近では、アフリカ、ヴィクトリア湖に持ち込まれた外来魚、ナイル バーチが引き起こした悲劇を描いた、『ダーウィンの悪夢』が 話題となった。残念ながら見逃してしまったが、DVD化されたら観 たいと思う。(北海道など一部地域の方はまだ間に合うみたいです) こうしたことは下のHPに詳しかったので紹介しておく。 外来種問題 話を南アフリカの伐採の件に戻そう。 外来種問題はこの様に動物の世界だけではなく、植物の世界にも存在 するのだ。ちょっと話はずれるかもしれないが、花粉症だって国策と して押し進められた大量のスギの植林が原因になっている。 人間が自然に勝手なことをすると、自然の方からしっぺ返しをされる。 それは狂牛病にしても鶏インフルエンザに関しても言えることだろう。 もう一つ思ったのは、白人がアフリカに残した傷跡の大きさについて である。彼らは住んでいる人を奴隷にしたり、植民地化して搾取の限 りを尽くしたりとアフリカに対してやりたい放題のことをやってきた。 その傷跡がこんなところにまで及んでいるのだ。 それは過去のことだけにとどまらない。例えば、EUはEU内の農民や輸 出業者に多額の補助金を払い、EU内の農作物を極めて安い価格でアフ リカやその他の途上国に売りつけている。その結果、そうした国の農 民が食べていけなくなっている。ガーナ政府は自国の農業を保護する 為に、EUからの輸入農作物に関税をかけようとした。すると、EU側は 関税をかけるなら援助を打ち切ると通告した。多額の援助に頼ってい るガーナは、関税をかけることをあきらめるしかなかった。 〜これは、BSで放送されたデンマーク制作のドキュメンタリー、「EU 農業が発展途上国を圧迫する」を見て知った話。これを見てEUにはか なり幻滅した。それじゃやっている事はアメリカと変わらない。 現在でもアフリカには内戦状態の国があるし、そうでなくともほとん どの国が飢餓、貧困、医療、教育など深刻な問題を抱えている。 昨日は図書館で「アフリカ 忘れられた戦争」 という本を借りた。写真とそんなに長くはない文章により構成された 小さな本だが、かなりショッキングな内容である。 両腕を切断された父親が小さな子供を抱いている。地雷で眼をなくし 家族を亡くして1人で3人の子どもを育てる母親。リベリアでは(内 戦に何の手を打とうともしない)アメリカの大使館の前に抗議のため、 内戦の犠牲者となった幼児を含む数多くの遺体が放り出された。 私たちはアフリカのことを知らなすぎる。